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小沢幹事長の秘書ら逮捕について
東京地検特捜部によって、小沢一郎幹事長の秘書らが逮捕された。政権交代を帳消しにしかねない特捜部の強引な捜査と、その露払いをするマスメディアの行動には、意図的な「何か」を感じざるを得ない。そんな私の気持ちを的確に表現していたのが、本日(2010.1.17)の東京新聞に掲載された談話である。
小沢氏の秘書らの逮捕について、ジャーナリストの魚住昭氏、青木理氏、大谷昭宏氏、そして弁護士の若狭勝氏が談話を寄せている(青木氏は出筆)。
魚住氏は、検察が強引に突き進む理由の一つとして、権力闘争を指摘する。すなわち「検察を中心とする“霞ヶ関村”から国家の主導権を政治に取り戻すのが、小沢氏ら民主党の狙い」であり「これを阻止するのは霞が関全体の意思である。だから捜査の最終的な目的は、小沢氏の政治的な失脚だろう」と語る。そして、「小沢氏が幹事長を辞めただけで、雑居政党である民主党政権は瓦解する。今のところ、検察の狙い通りにシナリオは進んでいる。このままだと去年の選挙の結果が捜査によって無に帰す。そんな政治的な捜査があっていいのか」と、指摘する。
青木氏は「私は小沢一郎という政治家が好きではない。その強圧的な政治姿勢にせよ、傲岸不遜な立ち振る舞いにせよ、はたから眺めて感じるのは不快ばかりだ」と、前置きし「しかし、小沢氏と対峙する検察組織には、さらに強い嫌悪を覚える」と指摘する。まさに、私の感じていることと同じである。さらに青木氏は大手メディアの検察に対する姿勢について「検察捜査のお先棒を担ぐような報道ばかりでは辟易させられる」と記す。
この一連の事件に対する大手マスメディアの報道は、非常に奇異である。全ての情報が検察からのリークとしか思えない。検察の正式発表が一切無いなかで報道だけが先行し、事件を作り出していく。その意味で、大手マスコミは「霞が関村の広報誌」といえる。この点については、多くのフリーランスのジャーナリストが、Twitterを使って発言していることが真実と思われる。
大谷氏は、今回の強引とも言える捜査の背景には「外国人参政権、捜査の可視化、指揮権発動、検事総長の人事などをめぐる動きがあるのではないか」と指摘し、「権力闘争を国民が望んでいるのだろうか。国民が選んだ政権政党に対し、検察は決して民意を代弁していない。捜査というよく切れる刀は抑制して使うべきだ」と語る。
「今回の事件は量、質ともに悪質性が高い。虚偽記載の額は少なくとも四億円に上る」と指摘する若狭氏でさえ、「小沢幹事長の関わりについては冷静に考えた方が良い。検察も逮捕した容疑者の容疑を固める段階。(小沢氏の)関与を示す証拠は無いだろう。取りざたすべきでない」と指摘している。
昨日行わえた民主党大会で、小沢氏は検察と戦うと宣言した。その点については、同紙の「本音のコラム」で北海道大学の山口二郎氏が指摘しているように、一連の事件は「法律闘争ではなく政治闘争」であり「政治闘争は、国民が小沢氏と検察のどちらを信用するか」という戦いである。つまり、氏が指摘するように「小沢氏個人の政治生命だけが問われているのではない。政権交代を実現した民主党が、これからさらに日本の政治を前進させることができるかどうかが、小沢氏の行動にかかっている」のである。その意味で小沢氏は、国民が納得できる説明をきちんと行うべきだと考える。
さらにいえば、私たちの判断と行動が問われていることにもなる。したがって、大手マスコミの報道に踊らせられることなく、今、この国で起こっている事実を、冷静かつ的確に判断する力が必要となる。少なくても、時間の歯車を逆回転させてはならない。
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