2008年11月24日月曜日

上室性頻脈の再発



退院から1週間。心配していた再発(上室性頻脈)が起こった。
近くまで買い物に行って帰ってきた時、突然、脈が速くなり160/分になった。

考えてみれば、今まで何回も頻脈発作に襲われ、そのまま2ヶ月以上、仕事を続けたこともある。その意味で、症状はしんどくないが、やはり、精神的ショックは大きかった。もちろん、今回のアブレーションで根治できたとは、全く考えていない。それでも、やはりショックだった。

だが、一晩寝ると、発作は治っていた。
静かになった心臓に右手を当て、心音を数えながら気がついたことがある。それは、アブレーションの後、ずっと続いていた不安が、きれいに消えている、ことであった。退院してから約1週間、再発が怖くて臆病になっていた自分に気づいた。だから、何日経っても、気力が回復しなかったのだろう。

そう気づくと、不安から一気に解放された。なにか、吹っ切れたようで、清々しかった。

今日も散歩から帰ると、また脈が速くなり不整脈も頻発したが、1時間ほど横になっていると、治まった。アブレーション前とは、何かが少しずつ変わってきたようだ。

金嬉老を覚えていますか



いま、金嬉老を覚えている人は、どれだけいるだろうか。
1968年2月20日、当時39歳だった在日朝鮮人二世の金嬉老(本名:権禧老)は、寸又峡温泉の旅館に宿泊中の13名を人質として篭城。警察官の在日朝鮮人に対する差別に対して謝罪を要求した。本田靖春著『私戦』の主人公である。

この金嬉老に関するドキュメント番組が、今夜の「報道発ドキュメンタリ宣言」(テレビ朝日)で放映される。

2008年11月20日木曜日

カンガルーと人間は共通の祖先をもつ



オーストラリアの研究チームが、カンガルーは遺伝子的に人間に近く、中国を起源とした可能性があるとの見方を示したことを、ロイターが伝えている。

オーストラリア政府の支援を受けてカンガルーの遺伝子を研究する同チームは、今回初めてカンガルーの遺伝情報を解読し、その多くは人間の遺伝子と似ていたとしている。

同研究チームのジェニー・グレーブス氏は、メルボルンで記者団に対し「いくつかの違いがあり、われわれの方が多かった、り少なかったりするが、同じ遺伝子があり、それらの多くは同じ配列だ」と述べた。そして、カンガルーと人類は、少なくとも1億5000万年前に共通の祖先から枝分かれしたという。

 同チームはまた、カンガルーの祖先は現在の中国で最初に誕生し、そこから現在のアメリカ大陸を通って、オーストラリアと南極に渡ったとしている。

2008年11月19日水曜日

LIFE誌の膨大な写真1000万点がネットで無料公開

LIFE誌の膨大な歴史的写真のコレクション(1750年以降)が、ネット上で無料公開され始めたことを「media pub」が伝えている。

約1000万点の写真のうち20%が現在公開されており、残りは数カ月以内に公開される予定だそうだ。全ての写真を拡大表示できるが、cut&pasteはできないようだ。

写真の探し方は簡単だ。Google image searchの検索窓にキーワードを打ち込み 「source:life」を追加するだけ。例えば,1860s US Civil War source:lifeとか1900s japan source:lifeのように。(media pubの記事から引用・改変)

2008年11月18日火曜日

生きてりゃいいさ



入院中は、普段考えないことを考えるようになる。特に、自分の人生について考える時間が増える。過去の人生ではなく、これからの人生だ。

これからの人生と言っても、残された時間はあまりない。たとえ健康でも、自立した生活ができるのは、あと15〜20年である。

生まれてから二十歳になるまでの20年間はゆっくりと時間が流れていたが、これからの20年間はあっという間であろう。
その間をどう生きるか。考えても答えの出ることではないが、「さまざま」考える。

考えている最中に、ふと気がついた。思いを巡らす「さまざま」なことは、いずれも、何らかの意味がある。どうして、人は自分の人生に意味を求めるのか。

そういえば、かつて「私は何のために生きているのか」考えたことがある。生きている意味がみつからずに悩んだこともある。
人生に、生きる意味が、なぜ必要なのだろうか。

そんな時に思い出したのが、河島英五の「生きてりゃいいさ」だった。

退院


        ▲写真は、退院前日の昼食。ちらし寿司。

16日の日曜日に退院した。朝から小雨で、久しぶりの街は肌寒かった。
いつもは病院の玄関前に、タクシーの列ができているのだが、日曜日とあって、タクシーは1台も止まっていなかった。大通りまで歩くと足の筋力の衰えを感じる。

わずか2週間という短い入院期間だったが、そのほとんどをベッドの上で過ごしていたため、筋力が見事に落ちていた。

筋力とともに低下したのが、気力だ。まだ、集中力も続かない。

しばらく、ゆっくり休むことにした。

2008年11月15日土曜日

副作用もなく、無事に終了



12日に心臓電気生理学的検査とアブレーションを行った。

朝の9時に麻酔をかけ、病室に戻ったのは20時。約11時間、麻酔で眠っていたことになるが、感覚としては15分ぐらいしか経っていないような感じだった。

この間のほとんどの時間が、不整脈の原因部位の特定(心臓電気生理学的検査)に費やされたが、当初の予想どおり、私の不整脈は非定形型だったようで、最後まで原因部位を特定できなかったようだ。しかし疑わしい箇所は何カ所かあったらしく、その部位を焼灼した。

しかし、頻脈発作を誘発しての処置のため、時間の経過と共に血圧が下がり、痰が多くなって血中の酸素量が減ったため、途中で中止したという。

この状態で、抗不整脈薬は使わずに、しばらく様子を見ることになった。
治療前の予想通り、原因部位を確実に焼灼する事はできなかったが、心臓電気生理学的検査で、自分の心臓の状態非常によく分かったし、次回のアブレーションに期待がつながった。
次回のアブレーションは、焼灼個所が安定する来年、ちょうど梅雨時に行いたいと考えている。
全く副作用もなく終了したことで、一安心である。

▲上の写真
当日、私の心臓には両鼠径部と首の計3カ所からカテーテルが挿入された。2次元のレントゲン写真を頼りに、心房という3次元空間をイメージしながら、このカテーテルを自在に動かして治療する技術は、改めて考えると、すごい技術を要するものである。


     ▼昨日の昼ご飯は、栗ご飯。

2008年11月11日火曜日

あす、アブレーション




明日、カテーテルアブレーションを行う。
朝の9時から夕方の5〜6時頃までかかるらしい。その大半は、不整脈の原因となる個所の特定に費やされる。

その間、私は麻酔で眠っているので苦痛は感じないが、麻酔が覚めてからが結構辛い。数時間、身体を動かすことがでないからだ。

明日の今頃には、結果はでている。果たして、不整脈の原因をきちんと治療できるか。約50%の確率、と私は思っている。強力にアブレーションを行うと、根治する可能性は高いかもしれないが、副作用の発生率も高くなる。そこで今日、担当医に「けっして無理しないでください。1回のアブレーションで根治するとは考えていませんから」と、伝えた。微笑んだ担当医は、かなり自信を持っているようだった。

▲写真は、私の左心房を上からみたところ(3次元CT画像)。
左右に出た枝のようなものが肺静脈。この肺静脈が心房に入り込んだあたりが、アブレーションのターゲットの1つだ

■カテーテルアブレーション(Catheter Ablation)とは、不整脈の原因となる異常な心臓の筋肉を取り除く治療で、不整脈を根治できる可能性をもった、唯一の治療法だ。
高周波と呼ばれる周波数300〜750KHzの電流でCatheterの先端を50〜60度に熱し、その熱によって異常な心臓の筋肉を焼き固める(Ablation)。

もう、冬ですね


入院中、最も不自由なのは煙草が自由に吸えないこと。喫煙室もないため、愛煙家は屋上で寒さに震えて煙草を吸っている。

何もせずに、寝たり、本を読んだりしている時は、煙草を吸わなくても平気だが、ベッドで原稿を書き出すと、途端に吸いたくなる。

PCで原稿を書いている時、私は左手で煙草を吸うので、文章の推敲に行き詰まると、左手の人差し指と中指がムズムズする。ニコンチン中毒というより、左手が煙草の感触をほしがっている、ようだ。

煙草を吸うために屋上にあがるたびに、きれいな苔に心が和む。
もう冬ですね。

時間だけは沢山ある



入院時には、普段なかなか読めない本を数冊持ってくることが習慣になっている。

今回選んだのは、ダニエル・T・マックス著「眠れない一族」(紀伊國屋書店刊)とジョナサン・H・ターナー著「感情の起源」(明石書店刊)の2冊である。

前者を選んだ理由は、ローリー・ギャレットの書評に「本書は、自身もまた奇妙な病を抱えているせいもあって、非常に研ぎ澄まされた目を持つ著者によって語られる、胸躍る物語だ。居心地の良い場所を見つけ、スケジュールを空け、さあ、読み始めよう」と書かれていたからだ。

病室は決して居心地の良い場所ではないが、沢山の時間がゆっくり流れていく。

     ▼今日の昼食

2008年11月10日月曜日

やっと、入院モードに


土曜日から、ヘパリンの24時間静注が始まった。
カテーテルアブレーションでは、心臓の中に入れたカテーテルの先端は50〜60度になる。この熱で、異常な心臓の筋肉を焼き固める(熱凝固)のだが、たまに血液を固めてしまうことがある。それが血栓で、この血栓が脳に飛ぶと脳梗塞になる。
そこで、血栓ができないように血液をサラサラにするのが、このヘパリンだ。
ヘパリンの静注が始まって、やっと入院モードになった。

    ▼今日の昼食はポークカレーだった。

2008年11月7日金曜日

入院の必需品 その1



病院食は、けっして不味くはない。むしろ、少ない予算で、患者個々の状態を考慮して、ほんとうに良く作っている、と関心することが多い。しかし、脂っこいものが大好きな私には、物足りない。
そこで登場するのが、マヨネーズである。魚に、肉に、全てのおかずにマヨネーズをつけている。時には、ご飯にマヨネーズをつけて食べることもある。
もう1つの必需品が、雪印の6Pチーズ。6時に夕飯を食べると、8時頃にお腹がすく。そんな時に重宝するのが、このチーズだ。チーズにもいろいろな種類があるが、なぜか入院中の夜食には6Pチーズが旨い。


    ▼昼食にでたシャケフライ。これにマヨネーズをかけると実に旨い。

2008年11月6日木曜日

最もつらい検査

昨日は、今回の入院期間中で最もつらい検査「経食道心臓超音波検査」を行った。
この検査は、胃カメラより一回り太い「超音波プローブ」を口から食道に入れ、食道内から心臓の裏側に向けて超音波を照射し、心房側から心臓を観察するもので、心臓が食道と接していることを利用した検査法である。

この「超音波プローブ」を飲み込む時、胃カメラを飲み込む時と同じような「オェー」という嘔吐反射が起こる。
これまでに2回行っているが、何回行っても慣れることはない。今回も、嘔吐反射を繰り返して、なかなか飲み込めず、涙がボロボロとこぼれた。その辛さは、胃カメラとは比較にならない。

この検査の目的は、心房内の血栓の有無や血流の状態を調べることである。もし、心房内に血栓があったり、血流が滞留していると、カテーテルアブレーションを行っている時に、血栓が脳に飛んで脳梗塞を起こす可能性がある。実際、昨日の夕方に主治医と話した時も、カテーテルアブレーションの副作用として、主治医が最も危惧していたのは脳梗塞であった。

2008年11月4日火曜日

再び入院

前回、入院して電気的除細動を受けたのは、8月の初め頃だった。
あれから約3ヶ月、再び入院した。
今回の入院は約2週間から3週間の予定。
左房のカテーテルアブレーションを行って、不正脈の原因となっている神経を高周波で焼き切るためだ。
入院初日の今日、さっそく、心臓の三次元CTを採った。数日後には、私の心臓の立体画像がみられる。
この三次元CTは、造影剤を腕の静脈から入れて撮影するのだが、造影剤が身体に入った瞬間に身体がカーッと熱くなる。
まず上半身が熱くなり、熱さは、胸からお腹、お尻、太ももへと伝わり、足先から抜けていった。
今まで味わったことのない、不思議な体験だった。

その後、血液検査、尿検査、心電図、胸と腹部の単純レントゲン撮影と検査が続き、その間に、入院手続きと入院中の説明が行われ、
あっという間に入院初日は終了した。
明日は朝から経食道心臓超音波検査を行うので、今夜の9時からは絶飲食だ。