2008年2月17日日曜日
私の心臓の話 その1
私は生まれつきWPW症候群(Wolff-Parkinson-White syndrome)という不整脈(頻脈)が起こる病気をもっていた。その症状は、「何か」をきっかけに心拍数が突然早くなる病気で、私の場合、1分間に200~350回の心拍数が30~60分続いた。もちろん、その間はかなり苦しいのでベッドで横になる。すると、ベッドごと揺れることもあった。この頻脈発作は、何の前触れもなく突然始まり、何の前触れもなく突然終わった。
自然に止まるので、治療をせずに長年放置していたところ、今から4年ほど前に発作が止まらなくなり、心房細動を併発して急性心不全を起こした。急性心不全で血液が十分に体内を循環できなくなったため、引き続いて急性肝炎、急性腎炎を起こした。気がついた時には、尿が出なくなり、強烈な疲労感と寒さに襲われ、救命救急センターに運ばれた。
当初は透析も覚悟したが、救命救急センターのスタッフのおかげで、約1週間で一般病棟に戻ることができた。
その後、WPWのアブレーション手術を2回行って、その原因を取り除くことはできたが、その後、心房細動と心房粗動に苦しむことになる。心房粗動もWPWと同様に「何か」をきっかけに心拍数が早くなる病気で、私の場合、1分間に160~180回ぐらいであった。
WPWで頻脈に慣れているので、そんなには辛くはない。3、4日も続くと慣れてしまう。心拍数を落とす薬もあるが、私の場合、最大量を服用しても120回までしか落ちなかった。
この心房粗動は自然に止まらないので、しばらく続くとだんだんと疲れてくる。特に腹部の脂肪が目に見えて少なくなり、ウエストは1か月で数センチ減る。それほどのエネルギーを心臓が必要としているのだ。
そこで、そろそろ疲労の限界と感じると、入院して電気的除細動を受ける。麻酔下で心臓に電気ショックを与えて拍動をリセットするのである。
数ヶ月ごとに電気的除細動を受けているうちに、今度は徐脈も起こるようになった。拍動と拍動の間隔が開き、1分間の脈拍数が40回ということもあった。徐脈もまた苦しく、特に長い時間、歩くことが困難になってくる。
また、夜中に苦しくて飛び起きることもあった。たぶん、拍動と拍動の間が数秒間あいたため、脳が危険を感じて起こすのであろう。その度に、「心臓が止まる!!」という、とてつもない恐怖感に襲われて飛び起きる。目が覚めて心臓に手をあてると、その時は動いている。その時はホッとするが、飛び起きた時の苦しさと恐ろしさで、再び眠ることはできなかった。
心臓がなかなか動き出さないことは、電気的除細動を行っている時にも起こった。麻酔から目覚めると、ベッドサイドにやたら医者が集まっている。不思議に思って聞くと、なかなか心臓が動き始めなかったという。そこで、脳にダメージが起こらないように、医者は心臓マッサージを行ったという。
実はその間、私は恐ろしい夢を見ていたのだ。
(夢の話は次回)
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1 件のコメント:
心臓の病気でも、自動車のエンジンにたとえれば、電気系、点火系の不具合は本当に恐ろしいのですね。
私は燃料系の不具合ですから、まだまし、でも心不全の苦痛はわかります。
次回BROGが楽しみです。
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