2008年5月18日日曜日
私の心臓の話 その5
心臓ペースメーカーを入れて以来、心臓が遅くなる「徐脈」は解決したが、心臓が早くなる「頻脈」は解決していない。しかし、ペースメーカーを入れてから、頻脈は自然に治っていた。短い時は数分、長くても36時間以内には自然に治っていた。
ところが、今週の月曜日に始まった頻脈は、なかなか止まらなかった。心臓は1分間に160~180回拍動し、薬を飲んでも120回より少なくなることはなかった。
そのうち、家庭の血圧計では血圧が測れなくなった。いつもの頻脈と違って、かなり疲労感もあり、起き上がるとボッーとして仕事にならない。その上、手首で脈拍が感じないほど動悸が弱いので、心不全を心配して、水曜日に病院に行った。
心電図から、1:1の心房粗動(心房頻脈)で、脈拍は180回。血圧は上が(収縮期)80mmHgで、下は(拡張期)は測定不能であった。自然に止まりそうもないので、さっそく治療で止めることにした。
ペースメーカーを入れる前は、数日間入院して、脳卒中の原因となる血栓の有無を確認し、麻酔をかけて心臓に電気ショックを与え、一旦心臓を止めて拍動をリセットする治療を受けていた。
しかし、ペースメーカーを入れているので、ペースメーカーにコンピューターから指令を送り、脈拍数を徐々に上げることで頻脈をリセットできる。
コンピュータからペースメーカーに指令を送るのは、テレメトリーとよばれる小さな装置を、植え込んだペースメーカーのうえに置くだけだ。通常、ペースメーカーの電気刺激は、1分間に60~70に設定してあるが、その電気刺激の回数を上げていく。
普通なら、250回前後に上げるとリセットできるらしいが、私の頻脈は頑固で300回を越してもリセットできず、350回ぐらいでやっと心房細動に移行した。
心房細動は心房粗動(心房頻脈)と異なり薬で止めやすい。そこで、次に抗不整脈薬(サンリズム)の点滴を受けることになった。つまり、ペースメーカーからの刺激で粗動を細動にかえて、さらに薬で細動を止めるという二段階治療である。
点滴の準備をしている間、心電図を見ていた医者が「あ、洞調律になった」と言う。確かに、それまで不規則に暴れていた心臓が突然静かになった。
こうして、頻脈は治まり、仕事場に戻った。
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2 件のコメント:
心臓はちょっと不整脈が出ただけで、辛いものです。脈拍180回の血圧上80の状態は想像を絶するものですね。テレメトリーなる機器があることも初めて知りました。
それにしても、血管の状態、血液成分に問題がなくて良かったですね。血栓だとか、動脈硬化などが関わったら危険すぎます。ご自愛下さい。
当日はぶらぶら歩いて地下鉄で病院に行ったのですが、医者には「良く立ってられるね」といわれ、看護師には「車椅子、使ってください」といわれました。人間の身体は良くできていて、非致死的侵襲が続くと耐性が備わるようです。
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