2008年12月24日水曜日

負けるな



入院していると、さまざまな人が、さまざまな言葉で励ましてくれる。

「がんばれ」 「大丈夫だよ」 「休暇だと思って、ゆっくり治療に専念してください」 「無事を祈っている」・・・・・。
どの言葉もうれしいが、治療に対する不安があると、なかなか素直に受け取れない。

そして、「これ以上、どう、がんばるんだよ」 「十分、がんばっているよ」 「何を根拠に大丈夫なって言うの」 「休暇と入院治療は大違いだよ」 「検査だけでも、結構、辛いんだよ」・・・・と、心の中では叫んでいる。

そんな、捻くれた、頑なになった気持ちに、唯一、届いた言葉があった。
それは「負けるな」という一言。
この言葉を聴いた時、春の温かな日差しで氷がゆっくりとけるように、徐々に素直な気持ちになれた。

「がんばれ」と「負けるな」。何が違うのだろうか、と考えていた時、思い出した言葉がある。癌に対する抗がん剤治療についてたずねた時、ある医者はこう言った「無理してがんばることはありません。癌に負けなければいいのです」。

やはり、「がんばる」と「負けない」は、ニュアンスがだいぶ違うようだ。

1 件のコメント:

jingil さんのコメント...

「頑張れ」は欝の人に決して言ってはいけない言葉だそうですね。外側に殻を作り、自分を追い込む、「頑張る」とはそういう行為です。
人を応援する慣用句として英語では
「Take it Easy!」と言います。
何か「頑張れ」のメンタリティと真逆のような気がしますね。「殻を作らないで、閉じこもらないで話をしましょう」という意味です。