2008年6月30日月曜日

iPodと心臓ペースメーカー


昨年、iPodなどのデジタル音楽プレーヤーが、心臓ペースメーカーに障害を与えるという研究結果が報道され、注目されていた。しかし、ボストン小児病院ペースメーカー部のCharles Berul部長らは、音楽プレーヤーはペースメーカーに障害を与えない、という研究結果をHeart Rhythm(2008,5:545-550)に発表したと、Medical Tribune(2008.6.26)が伝えている。以下、同紙からの引用リライトである。

Berul氏らは、心臓ペースメーカー(PM)または植込型除細動器(ICD)を使用している患者51例(6~60歳)を対象に、Apple社、SanDisk社、Microsoft社の音楽プレイヤーの影響を検討している。

方法は、音楽プレーヤーを直接PMあるいはICDの埋め込み部位の上において作動させ、その影響を調べている。その結果、障害はみられなかったと報告している。

また、同氏らは255例の患者を対象に、音楽プレーヤーの影響を心電図で検討しているが、心電図に変化はみられず、不整脈が起こった患者もいなかったという。

この結果について同氏らは、「心臓ペースメーカーを入れていても、安心して音楽プレーヤーを楽しむことができる」、とコメントしている。

一方、PMやICDをチェックあるいは再調整する機器(医師が使用するもの)との接続時には、音楽プレーヤーが干渉する場合があることが明らかになった。しかし、機器から15センチ離せば問題ないという。

また、今回のテスト時間は短いため、長時間にわたって音楽プレーヤーを使用する場合は、埋め込み部位から15センチ以上離して使用することが望ましい、と同氏らは指摘している。

いずれにしても、埋め込み部位に接触させないで使用すれば、まったく問題ないということである。

0 件のコメント: